地方宿泊業の危機と金融の危機


  1.「地方宿泊業の危機」

  私は、当館ホームページのレジオネラ関連の情報内で
 、宿泊料金の低下が温泉の品質と安全性の低下を招い
 ていることを記してきました。 

  そして、設備投資産業である、宿泊業における、投下資
 金の約定返済金額は、住宅ローンと同じで、値引きされな
 いので、人件費の削減と温泉の品質の低下により、低料
 金を実現していると述べてきました。

  しかし、現在の異常な宿泊料金の低下は、多くの宿泊業
 が、バブル崩壊後に集客数を激減させた為、通常の約定
 返済が不能となり、不良債権先の急増を恐れた金融機関
 の処置として、「元金据え置き利息のみ返済」とゆう、特例
 の条件変更を行うことにより、より拍車をかける形で実現し
 ているのです。 

  実際は、毎月の金融機関への支払いは利息だけで、資
 金的には楽になったはずなのですが、さらなる、低料金化
 競争のために、その余剰分までも、ついやしてしまったよ
 うです。

  よって、大多数の宿が、「利息のみ返済」とゆう形の、ほ
 んの皮一枚で、倒産をまぬがれているといっても過言では
 ないのです。

  現在の多くの宿の異常な低料金は、この利息を支払う為
 の料金ですから、集客数が多少増加したり、また維持でき
 たとしても。なんら経営の改善にはつながらないのです。

  さらに、この状態に陥った多くの宿には、以後、新規の融
 資といつた、救済処置はなく、施設の保全維持など、かなり
 難しい状態でもあるのです。経営者の意思にかかわり無く
 、この状態は進行しているのです。

  最近、とある温泉サイトの「二度と行きたくない宿」とか「二
 度と行きたくない温泉」とゆうページに、全国の宿への苦情
 が、多数投稿されていました。

  これは、全国のインターネットを行っている方の一部の方
 の投稿なのですが、氷山の一角だと思います。

  この私も、業種は違いますが、小さいながらコンドミニアム
 の経営者ですので、投稿のあった宿の広告やホームページ
 を全て調べてみると、いずれの宿も初期投資は大変なもの
 であったことが伺い知れるのに、広告の二食付きの宿泊料
 金が、豪華設備の割りにあまりにも安すぎるのです。

  たしか、八千円〜一万円ぐらいでした。これでは、人的サー
 ビスや施設の保全維持が出来ないことも、事情を知らない宿
 泊者のお怒りをかってしまうのも、当然だと思います。

  中には、本来、平日でも二万円〜三万円で、サービスを落
 とさずに、採算を採るべき宿もあったのです。

  まさに、多くの宿の経営者のスピリットが低下していること
 は事実のようです。 

  レジオネラ対策は、本当に大丈夫なのでしょうか、適正な
 宿泊料金をいただくことで、適正な、物的かつ人的サービス
 が可能なのではないでしょうか。


  2.「金融機関の危機」